翠渓会関東圏本部・関東南部支部支部釣行【第十四陣】3

翠渓会関東圏本部・関東南部支部支部釣行【第十四陣】3
『西丹沢の渓流・河内川水系』
■西丹沢・世附川(ゆづくがわ)の浅瀬付近
ゲート右の小屋は酒匂川漁協の監視(河川管理)小屋で番人が常駐している。
二級河川河内川(こうちがわ)の本流は中川川になる。
河内川は三保ダム完成以前は落合集落(落合館にその名を残している)で出合う西丹沢三川(中川川・玄倉川・世附川)で西丹沢の豊富な支流群に恵まれた一大渓流釣り場を形成していた。
このうち関東でも有名になったのは世附川(ゆづくがわ)だ。
近年ネットなどで曖昧な情報や表記があるので、河内川水系について簡単に整理しておこう。
■酒匂川水系の最大支流河内川(こうちがわ)
河内川は鮎沢川と分かれると取水や三保ダムの影響で水位が激減するが、三保ダム完成前は落合まで大石の多い明るい渓流で、本流ヤマメ釣り場であった。
【中川川】(なかがわがわ)所謂三川の真ん中の川、中川、中野川、仲川、那賀川、那珂川もある意味同意味。現在は河内川の本流とされているので表札も「河内川」となっている。水源は北丹沢の大室山 (1588m)で水源の標高からか白石沢が本谷、流程も水量も多いモロクボ沢を支流としている。
【玄倉川】(くろくらがわ)以前は酒匂川の上流を河内川、河内川の本流を玄倉川とし酒匂川の水源は丹沢最高峰の蛭ヶ岳(1673m)とされていた。現在は鮎沢川が酒匂川の本流とされていて玄倉川は河内川の支流とされている。つまり鮎沢川を酒匂の本流とする事で、玄倉川は酒匂川本流から支流河内川の更その支流に格下げとなった。ユーシン渓谷(有信、幽信などの当て字)の名が有名だが所在定義が曖昧で、玄倉川本流の渓谷を指す場合や、支流のユーシン沢(ユーシンロッジ付近の狭小部)の渓谷を呼ぶ場合もある。過去に源流の熊木沢や箒杉沢などは禁漁区として保護されていた時期があった。玄倉林道の青崩隧道の危険性で通行止めとなっていたが、2011年11月から歩行者にのみ通行止が解除された。徒歩であれば玄倉川源流やユーシン沢に行ける様になったが登山者は少ない。1999年の玄倉川水難事故は記憶に新しい。
【世附川】(ゆづくがわ)
かつては大規模な森林鉄道があり、伐採を中心とした林業が盛んな流域であった。森林鉄道が林道に変わる頃から関東の釣り人には魅力的な世附川となった。玄倉川も奥は深いが源流が崩壊している箇所が多く源流志向の釣り人からは敬遠されがちであった。世附川や支流大又沢流域は森林資源が豊富であったのと山中湖に通ずる道志川とも山境を成す為水量が安定していた。当時は玄倉川の支流が中川川とされていた為、玄倉川と世附川が出合う下流を河内川としていた。玄倉川と中川川出合から河内川と呼ぶ場合もある。中川川と世附川は戦国時代より人や物資の往来がありその地名が名残りする地名が多い。特に甲州〜相模との軍事的物流ルートになっていた為、甲相両国の文化が見える地域性でもある。尚林道は昔は水ノ木橋のゲートと地蔵平まで車で入れたが、現在はマイカーは通行禁止となっている。
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■日本渓流会JP翠渓会・会長代理
■関東圏基幹G本部統括本部長・関東管領
■関東南部支部・初代支部長
■翠渓会本部会評定衆
■日本渓流会本部代表執権取締役【翠月:suigetsu】
■翠渓会HP: http://www.suikeikai.jp
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