日本渓流JP翠渓会日本渓流会JP翠渓会【関東南部支部】PRODUCED&EDITOR 【嵐翠・翠月】

奥武蔵・残存ヤマメ2

奥武蔵・残存ヤマメ2
高麗川の方はどうか。やはり下流からヤマメは生息していたが数は名栗川より少なくヤマメ釣り場というよりハヤ、ヤマベなどの釣りになってしまう事が多かった。ちなみに巾着田(鹿台橋〜天神橋の水田引用水)にいたヤマメは増水で落ちたのだろう。近隣には管理釣り場や養魚場もないからだ。ヤマメが生息する沢もない。高麗川は名栗川の北側にあり奥武蔵の中心部の渓流だがやはり釣り場としては吾野付近まで遡らないと安定はしていない。武蔵横手には西部マス釣り場があり、お薦めだ。比較的下流でハヤ釣り場とも言える横手渓谷付近で渓魚が釣れるのは貴重だ。名栗川には当時から常設の管理釣り場は無かった。下流に落ちる渓魚も少なく高麗川のヤマメは限流域と支流に限られた。残存ヤマメを求めて入渓したある沢では鰍が釣れた事もあったがヤマメは居なかった。やはり標高200M足らずでは無理か。やはり国道299号沿いという目立つ場所にある高麗川はその位置から逃れられない。下流域周辺の状況も一変し、横手までの右岸には巨大な団地が宅地化された。その直ぐ下、夜中に秩父に向かう時は高麗駅下の滝不動が不気味な蝋燭の明かりに思えブレーキを掛けた所だ。下流はヤマメがいたとはいえなかなか竿は出せない。東吾野〜西吾野には一番通った。まだ解禁の三月雪も舞った時も行ったりした電車+徒歩釣行だ。支流の虎秀川ではユガテの集落の人だろうが、馬で掛け降りてきたのなは驚いた。反対の黒山三滝で知られる、滝川を釣り顔振川を詰めて、まだ未舗装だった林道を降りて虎秀川に下った時だ。支流にはヤマメが残存している高麗川だが、やはり宅地化や林道工事などで、ヤマメが消えた沢もあった。西吾野には有望な北川があり、雨後にはヤマメも釣れた。南川や一部の支流には有志の(名栗より移植)もあるが、高麗川は全川ヤマメで、イワナやアマゴは生息していない。アマゴやニジマスはともかく名栗川や芦ケ久保川、定峰川などにいるイワナも生息していない。『正丸峠』は奥武蔵と秩父を隔てるだけでなく、この地域におけるイワナ分布の境目でもある。国道299号は昔は秩父との往還路、時代は変わったが高麗川沿いの集落にはまだ鄙びた山村風景が残っている。こういった山村の風土も、渓魚と共にそのまま残ってほしい。夏期の水温のせいだろうか、魚は少なかった。



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