奥多摩の渓流【再回想】10
奥多摩の渓流【再回想】10
それは予期もしない、先行者の出現だった。尋ねると、年配の方で宿を取っていて家族に 送って貰ったらしい。下流は僕らと同じく釣り飛ばし、さっきの淵からやはり竿をだしたそうだ。って、竿を見ると、テンカラだ! そして暫く歩いて、柊沢出合いまで一緒に行く事になった。竿は仕舞い、三人で遡行に専念する。そしてやっとヒイラギ沢出合いだ。またまたびっくりな光景だ!なんとテントが張ってある。シングルのツーリングテントみたいだ。もう焚き火の跡もかなり冷たくなっている。それを見て、年配のおじさんはここで引き返すという。たぶん単独者だろう。すると月夜見沢の本流に入っただろう。皆目を付けるのは同じだ。僕らは柊沢に入った。岩盤が黒く少し暗い感じがしたが暫く行くと開け、稜線さえ見えた。水量はあり、あたりもあるがヤマメは小型ばかりだった!かなり登って沢が、細くなる所まで行き引き返し、柊の出合いに。すると本流から一人の若い釣り人が降りてきた。聞くとここまで猿江の集落から歩いて来たら、テントがあったと!えっあなたのじゃないんですか?夜中に歩きだして明け方着いたらもう出た後だったという!多分、源流の頭までやってるんじゃない?と。人気の渓流はこんなに人が多いのか?つくづく思った。この若い人はあまり釣れてないようだった。この後も通ったが1日に三人も入っていたのはこの時だけだった。
翠月
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