日本渓流JP翠渓会日本渓流会JP翠渓会【関東南部支部】PRODUCED&EDITOR 【嵐翠・翠月】

翠渓会関東南部支部・支部釣行【第二十九陣】5

翠渓会関東南部支部・支部釣行【第二十九陣】5 1

翠渓会関東南部支部・支部釣行【第二十九陣】5


『伝説の職漁師の辿径七・山上の湿原楽園、野反池』


四万や秋山郷の山師や職漁師は山越えで草津に入っている。秋山郷からメインのルートは比較的開けていて、一部林道や登山道と交差または沿ったり消滅したりして往時のはっきりした地図などは手に入らない。今では人工の野反湖があるが、当時は秋山郷〜草津を結ぶルートの一つだった。困難な山道だが、苦労しても、草津では温泉宿でイワナ、マス類を高価で買い上げてくれるので、職業漁師としては、仕事道を辿るような考えだ。当時、イワナは貴重で、今日のように簡単に手に入らない。温泉地での値は想像以上に高かったから、職漁として成り立ったのだろう。まだ二人は体力あるので、野反湖周辺に遊陣する。野反湖は、群馬、長野、新潟に又がる高原山上の湿原池(尾瀬のような)であった、《野反池》を東京電力が主体となり、昭和53年に完成させた人工の湖だ。ダム湖としては、ダム湖百選に選ばれるなど、名湖として有名だ。現在も東京電力の管理下にある。付近には野反湖ロッジ、第一、第二キャンプ場などがあり、春〜秋は観光客、登山客などで賑わっている。マイカー登山者やバイクが目立つ。中には格好いい女性ライダーも!(^O^) 登山者のお目当ては、八間山や、高沢山、中にはハンノ木沢から上信国境の秘峰、白砂山を目指す人もいる。八間山など周囲の2000M級の山々は、所謂野反湖の外輪山。比較的登られている。特に八間山は休息舎と駐車場のある、富士見峠から直接登れるので展望も良く人気だ。富士見からは浅間山が遠くに見える。秘峰の名山・白砂山は体力、装備とも上級者向け。安易には入山できない。また渓谷も深く、野反湖〜千沢、渋沢を経て秋山郷への入渓ルートは困難な為一般的には対象外。奥信濃秋山郷、魚野川源流も遭難事故が過去に有り、源流への入山は責任者の元、慎重に決めたい。雲の薄ら掛かる高沢山方面を見ていると、遠く秋山郷から山越えして来た、職漁師達の生きざま(文化)に想いを馳せるように、新鮮な気持ちになった。そして、人気の少なくなった野反湖を後にした。


Counter